ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
 

 在院日数の短縮により,入院中に十分な患者教育の時間を確保できなくなり,急性期では,二次予防教育のすべてを目指すのではなく,最小限の重要事項を教育し,残りは回復期心臓リハビリテーションプログラムで教育を受けるよう推進することが望ましい.急性期に実施すべき最小限の事項として,①胸痛が生じた際の対処方法と連絡方法,②ニトログリセリン舌下錠またはスプレーの使用方法,③家族を含む心肺蘇生法講習,④患者の有する冠危険因子についての説明,⑤二次予防のための心臓リハビリテーション参加と生活習慣改善への動機付け,⑥禁煙(すべての患者は入院中禁煙しているのでこれを継続させる),があげられる369).すなわち,緊急時の対処方法と二次予防行動への動機付けが急性期心臓リハビリテーションにおける患者教育の2 本柱である.
2.2.3 急性期の患者教育
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