ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
 
クラス I
・心血管症状の有無と身体活動レベルの評価. レベルC
・服薬内容の再評価と,ACE 阻害薬,β 遮断薬,スタチンの投与量の最適化. レベルC
・退院時の予後リスク評価と検査計画の検討.(左室機能評価および左室機能低下例〈左室駆出率≦ 35 %〉のICD 適応の評価を含む) レベルC
・患者および家族とともに,二次予防の順守事項を検討し,その重要性の確認. レベルC
・うつ病,不安,睡眠障害の症状や社会的サポートなどを含む患者の心理社会的状態の評価. レベルC
・身体活動,復職,性生活再開,自家用車や飛行機による旅行に関する相談と身体活動の代謝当量(METs)に関する資料の提供. レベルC
・患者および家族に対し心肺蘇生術の習得についての情報提供. レベルC
・心臓リハビリテーション,二次予防プログラムの推奨. レベルC
3.1.1 指導事項
 わが国では安定狭心症に対する待機的PCI も含め,PCI後6~12 か月の慢性期に再狭窄の評価のために追跡冠動脈造影検査が行われることが多い.しかし,これまで心筋梗塞後においても,安定狭心症に対する待機的PCI 後においても,ルーチンでの追跡冠動脈造影検査が有用であることを示すエビデンスはなく,必須の検査ではないと考えられるが802,803),この点に関する検討がわが国で行われている.
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