ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
目次
SiteMap
戻る
2. 早期の一般的処置
基本的にCCU は静かな快適な環境にあるべきである
369)
(
クラス I
レベルC
).したがって,重篤な合併症を伴わない場合は,壁紙や照明などにも気を配った個室で治療が行われるのが望ましい.治療はコンピュータ内蔵の連続監視装置によるモニタリングのもとに行われる.モニタリングの対象にはバイタイルサイン(心拍数,血圧,呼吸数,体温)に加え,動脈血酸素飽和度,尿量,中心静脈圧などがあげられる.コントロールに難渋するポンプ失調を伴う症例ではSwan-Ganz カテーテルによって肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressure: PCWP),混合静脈血酸素濃度,心係数(cardiac index:CI)をモニタリングするが,全例に侵襲的モニタリングを行うことは推奨されない
(「血行動態の異常」の項〈48 ㌻〉参照)
.
また心筋トロポニンやCK などの心筋バイオマーカーを経時的に測定することによって,再灌流療法の有効性や梗塞巣の形成過程が推測できる可能性がある(
クラス IIa
レベルC
).
発症6 時間以内で心筋バイオマーカーが陰性の場合は,6 ~ 12 時間後に再度測定すべきであるが(
クラス I
レベルA
),心筋バイオマーカーの結果に関わらず,必要な患者には再灌流療法が早期に施行されなければならない
138,374,375)
.さらに救急部門で簡潔に把握した患者の臨床経過や身体所見については,CCU 入室後その補完に努めることも忘れてはならない.
●
2.1 酸素吸入
●
2.2 安静度
●
2.3 食事
●
2.4 排尿,排便
●
2.5 鎮静,睡眠,精神療法
●
2.6 家族面会と患者教育
●
2.7 CCU の滞在日数
Home
VI. 入院後早期の管理
2. 早期の一般的処置
次へ