ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
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標準12 誘導で捉えられる領域には限界があり,必要に応じて追加誘導を記録する.下壁梗塞では,右側胸部誘導(V3R~V6R),後下壁梗塞では背側部誘導(V7~V9)を記録する
598)
.右側胸部誘導(とくにV4R)の1mm 以上のST 上昇は,右室梗塞の診断に有用である.ただし,右室梗塞合併によるV4RにおけるST上昇の持続時間は短く,10 時間以内に半数例で消失するという報告がある
107)
.背側部誘導(V4 誘導と同じ高さで,V7 誘導は左後腋窩線との交点,V8 誘導は左肩甲中線との交点,V9 誘導は脊椎左縁との交点に付ける)でST 上昇および異常Q 波を認めるときは,後壁まで梗塞が及んでいる所見であり
599,600)
,梗塞範囲が広いことを意味する
600)
.また,後壁に限局した梗塞では,背側部誘導だけに異常Q 波やST 上昇,T 波変化を認める場合がある.急性心筋梗塞の約4 %はV7~V9誘導だけでST 上昇がみられるとの報告があり
601)
,心筋梗塞が疑われ標準12 誘導で心電図変化が乏しい場合は,背側部誘導を記録することが望ましい.正常では背部誘導で1mm以上のST 上昇,陰性T 波,Q 波を認めることは1 %以下である
601)
.
9.1.2 追加記録誘導
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VI. 入院後早期の管理
9. 梗塞サイズの評価
9.1 心電図
9.1.2 追加記録誘導
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