ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
 
クラス IIa
・非侵襲的検査で虚血が証明された残存冠動脈病変に対する血行再建を行う. レベルB
・梗塞発症後安定した患者で左室機能が有意に低下している場合,可能であればCABG を発症48 時間以降に延期して心筋の回復を待つ. レベルB
クラス III
・血行動態が安定している患者において梗塞血管に対するprimary PCI の際に,非梗塞責任血管に対してPCIを行う. レベルB
10.1 冠血行再建の適応と施行時期
 STEMI 患者において非梗塞責任血管に有意狭窄病変を合併することは多く,その頻度は40 %以上とされている674).また,STEMI において多枝病変を合併した場合の予後は不良であることが報告されており,残存冠動脈病変に対する血行再建の必要性を考慮することは重要である674).しかし,こうした残存冠動脈病変に対する血行再建の時期や血行再建の適応を決めるための各種負荷検査の至適な施行時期に関する明確なエビデンスは存在していない.
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