ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
 

 急性期とは,心筋梗塞発症からおよそ1~2 週間以内の期間である.急性期リハビリテーションの目標は,食事,排泄,入浴などの自分の身の回りのことを安全に行うことができるようになることと,早期から二次予防に向けた教育を開始することである.

 急性期の安静臥床の目的は,身体労作や交感神経刺激による心拍数や心筋酸素消費の増加を抑制することであるが,過剰な安静臥床は身体デコンディショニングを生じるので有害である792).したがって,安静臥床期間は必要最小限にとどめるべきであり,繰り返す心筋虚血,遷延する心不全,重症不整脈などを合併する患者を除いては,ベッド上安静時間は12~24 時間以内とする369).ただし急性期には,身体労作に伴うValsalva 手技(いきみ)を避けることが必要である369)
2.2.1 急性期リハビリテーションの目的
次へ