ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
目次
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6.2.3 左室自由壁破裂
クラス I
・早急に心嚢ドレナージを行う.
レベルC
・早急にIABP を挿入し,外科的修復を行う.
レベルC
・CABG の追加を考慮する.
レベルC
クラス IIa
・手術室への搬送が不可能である場合に,経皮的心嚢内フィブリン糊充
塡
療法を行う.
レベルC
blow-out 型では,外科施設への搬送の余裕もないことが大半である.急激なショック状態に陥った際にまず考慮されるべき治療は心嚢ドレナージであり,エコー下で比較的容易に施行可能である.排液は緩徐に行い,血圧の回復を確認しながら昇圧薬を調整し,収縮期血圧を80 ~100mmHg 程度に維持することが肝要である
548)
.初期治療に並行してIABP,PCPS の導入や,外科施設への搬送の準備を行うべきであるが
549-551)
,これらが望めない状況では,心嚢ドレナージに次いで経皮的心嚢内フィブリン糊充填療法が選択肢の一つである
552)
.外科の基本術式は人工心肺下の梗塞組織除去とパッチ修復である.oozing 型では,心拍動下にテフロンフェルト,心膜パッチ,タココンブなどを生体適合糊で梗塞部位に被覆する方法(sutureless 法)が有用であることもある
553)
.
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6.2 治療
6.2.3 左室自由壁破裂
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