ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
Guidelines for the management of patients with ST-elevation acute myocardial infarction
(JCS 2013)
 
クラス I
・発症後36 時間以内に心原性ショックとなり,ショック発症後18 時間以内にPCI が実施可能な75 歳未満の患者に行う. レベルA
・心停止後の自己心拍再開患者において,心拍再開後の心電図でST 上昇もしくは新規発症の左脚ブロックの所見を認めた場合,早期の冠動脈造影検査と
   primary PCI を考慮する. レベルB
クラス IIa
・発症後36 時間以内に心原性ショックとなり,ショック発症後18 時間以内にPCI が実施可能な75 歳以上の患者に行う. レベルB
2.3 心原性ショック患者に対するPCI
 ショックを伴うSTEMI 患者に緊急血行再建術を施行すると,6 か月後,1 年後の死亡率は有意に低下し,とくに75 歳未満の患者において有効である
151a).ただし75 歳以上であっても患者の機能状態が良好であれば血行再建術により生存率は高まることが報告されている150,247,248)

 また,院外心停止患者の多くは虚血性心疾患が基礎にあることが知られており,こうした患者において自己心拍の再開が得られたあとの12 誘導心電図
でSTEMI の所見が得られた場合には,早期の冠動脈造影検査とprimary PCIを考慮する必要があるほか,自己心拍再開後の12 誘導心電図でST 上昇や
新規発症の左脚ブロックの所見がなくても,臨床的背景から心筋虚血が疑われる場合には早期の冠動脈造影とprimary PCI を考慮することは妥当と考えら
れる.
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